障がい者雇用では「人事部」で働かない方がいい理由。

 

突然ですが、みなさんはどのような仕事をしていますか?

私はというと、障がい者枠の事務職で働いています。

一般的に障がい者雇用では事務系の職種が多いので、人事部で働いているかたもいるかもしれませんね。

今回はちょっと偏見を承知のうえで、人事部についてのお話をしたいと思います。

 

 

 

 

人事部の仕事の中でも「給与計算」の仕事がきつい。

経験談ですが、「人事部」で働くためにはかなりメンタルトレーニングが要求されると思うんですよ。

そもそも「人事部」と一言でいってもいろいろなファンクションがあります。

「新卒採用」
「中途採用」
「給与計算」
「福利厚生」
「契約管理」
「人材育成」などなど

 

私も以前、特例子会社の事務職で働いた経験があるのですが、「給与計算」のデータに直面したときに思わず絶句してしまいました。

 

親会社からの出向費がえぐいんですよ。

 

つまり、親会社から特例子会社へと出向された役員の給与が……

 

もちろんこれ以上具体的なことは言及できないのですが、こういうシーンに立ち会うとメンタルくじけますよね。

当時はまだ障がい者として働き始めたばかりだったので、自分の障がいを恨んだものです。

 

それ以降、合理的配慮を施してもらい、なるべく人事データから隔離されることになりました。しかし、それでも会議費や交際費など見たくない情報を垣間みることもあったのでつらかったです。また、助成金関係も地味にショッキングですよね。

 

こういう給与関連の業務ってメンタルに響くんです。

 

人事部は「制御資源」をかなり使う職種

この話でふと「制御資源」という言葉を思い出したんです。

「制御資源」というのは社会心理学の言葉なのですが、簡単に言うと、自分を制御するときに消費するエネルギーのようなものです。

(興味あるかたは「マシュマロ実験」というキーワードでググりましょう。理解が深まりますよ)

 

とにかく自分をコントロールするには「意志のエネルギー」のようなものが必要なんですよね。

 

そういえば、昔読んだ橘玲さんの著書「不愉快なことには理由がある」の中で以下のような描写がありました。

 

身だしなみにすごく気をつかう「デキる男(女)」がいざとなるとぜんぜん使えないということはよくあります。その反対に、ふだんはだらしないのに、仕事や勉強に異常な集中力を見せる人もいます。これも、自己コントロール力という有限な資源をどう分配しているか、ということから説明できるかもしれません。

「クッキーとダイコン」の実験は無意識を意識的に制御することがいかに難しいかを明らかにしました。努力だけでは人は変われないのです。

 

ここで言われているように「自己コントロール力は有限」でもあるんですよね。

つまり、自分を制御できるキャパシティというのは限界があるのです。

 

結局ここでなにが言いたいかというと、人事部の仕事というのは特に制御資源をかなり使ってしまう職種だということです。

 

つまり、人事部の仕事というのは自分を律するためにものすごいエネルギーを使うんですよ。

機密事項が多いですし、センシティブなテーマを取り扱ったりするので自分を律しないといけない部分が多いのです。

 

それに加えて、一般的な人は自分の給与と他人の給与を比較してしまいがちです。

とくに障がい者雇用の場合は一般枠よりも給与水準は低い傾向にありますから落ち込んでしまいますよね。

 

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つまり有限の制御資源を負担の大きい人事の仕事で使ってしまうため、大きなメンタルダメージを負う可能性があるのです。

 

事務初心者なら経理や営業事務のほうがベターかも。

 

私もいろいろな事務系の仕事をしてきましたが、個人的には人事は事務初心者にとってかなりハードルが高いと思いました。

 

スキルうんぬんよりも「他者と比較しないこと」というメンタルの強さが必要なんですよね。

 

私は今でこそ障がい者雇用での就労も長くなりましたから、ある程度達観できてきましたよ。
だから人事系の仕事も楽しんでやっています。

 

総じていうと、精神障がい者の求人としては事務職が多いので、人事関係の案件も目にすることがあるでしょう。そのときは「はたして自分の制御資源は耐えうるだろうか?」と自問自答してみましょう。

 

また、はじめて障がい者雇用での事務系に転職を考えているのであれば、人事ではなく経理や営業事務のほうが精神的な負担は少ないかもしれませんね。

 

ご自身の経験と適性を考えたうえで、これからのキャリアを検討していきましょう。

 

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