40代が20代に勝てる最大の武器。

 

最近、20代や30代という若いかたとお話する機会が多いのですが、彼、彼女たちの優秀ぶりに目を見張るものがあります。

とにかくスマートで合理的、要領もいい。
デジタルネイティブなのでテクノロジーに全く抵抗がない。
時流にのれる。体力や勢いもある。

 

20代は最強ではないですか!

 

それでもですね、私は思うのです。

40代(50代)でも彼らに勝てる領域がたった一つあるんです。

それは、「人生経験」です。
月並みな表現で申し訳ないのですが、「人生経験」ってやはりものをいいますよ。
だってこの時代に40年以上サバイブできているのですから。

長年生きているとそれなりの人生経験を積みます。
どんな人生であっても、そこから得られる経験という収穫は偉大なのです。
それが積み重なってかけがえのない資産になります。

全然話かわって、私「カバチタレ」という漫画が好きなのですが、そこに出てくる大野行政書士所長(たぶん50代)の存在感と安心感は半端ないんですよね。
若者にはない信頼感。主人公である田村行政書士には圧倒的にかなわない「何か」があります。
経験から表出される問題解決能力がばつぐん!

 

そんな私は43歳の契約社員。
社会的なヒエラルキーとしては最下層に位置すると思いますが、それでも最近になって累積された経験のすごさを思い知っているのです。

 

若さはなんといっても最強の武器

前提として、若さは最強の武器です。

若いということは将来に残された時間が潤沢にあるということ。
もちろん、交通事故など予期せぬアクシデントもあり先の寿命などは読めませんが、一般的には20代のほうが40代よりも残された時間は多いですよね。

つまり、将来に対する伸びしろやポテンシャルは20代のほうが高いです。

 

何にだってなれる。
選択肢はたくさんある。
失敗してもやり直せる。

若いって素晴らしいではないですか。

雇用制度にも「若さ」という価値が顕著に認められるようになりました。
従来の日本的雇用システムだと、年功序列や終身雇用で年齢を重ねるにつれ待遇や収入が増えていった背景がありますが、今は時代が違います

メンバーシップ型からジョブ型に移行する会社も増え、優秀な社員は年齢を問わず高収入を得ることができる時代。これまでぬくぬくと会社にしがみついていた50代以降の社員がリストラの対象になるような時代。

そして当然のことながら、年齢がすすむにつれ、転職や再就職のハードルが上がります。企業にとっては同じスキルをもっている人材であれば若い方を採用したいインセンティブが働きますしね。

 

うーん。もはや日本の会社員にとって、年齢は大きなアドバンテージにはならないと思うのです。

本当に年齢は負債でしかなんでしょうか。

 

40代の最大の資産。それは「人生経験」です。

 

40代会社員
ああ、若者にはかなわない

 

何度もいいますが、40代がもっている最大の資産は「人生経験」です。
40年以上生き残った経験。
バブル崩壊からリーマンショック、そして昨今のコロナ禍。
それらをすべて乗り越えてきたのです。

また、どんなに意味のない経験に見えても、無形資産として自分の中に残っています。

 

私の例でいうと、

どん底を味わった経験。
何もできずにただひたすら惰眠をむさぼっていた経験。
会社員として最低評価を受け続けた経験。
Amazon倉庫でバイトして糊口をしのいだ経験。
自分探しに傾注していた経験。

 

これらすべては人生にとって時間の無駄だったな、と思います。
でもこういう無駄を経験したからこそ、人生というものを少しは理解できたと思います。

ただし、人生経験も有益なものもあればムダなものもあるのです。
何が分け目になるのでしょうか?

時だけがモノの運命を評価できる

ナシーム・ニコラス・タレブの「身銭を切れ――「リスクを生きる」人だけが知っている人生の本質という本に「リンディ効果」という概念がでてきます。

 

一般的なモノの価値というのは加齢や消耗によって、経年劣化していきます。
しかし、リンディ的なものというのは逆向きに歳をとります時がたつごとに余命が長くなるのです。

つまり、「長年にわたって生存している」ということは時の経過とともに競争に耐えてきたという証拠です。

40代まで生きてきたということはこのすさまじい社会変動にもまれながらサバイブしてきた証なのです。われわれ40代はもっと誇りをもっていいはず!

 

ただし!身銭を切っていない40代は問題。

ただ一つ注意点があります。

 

人生40年以上になると人によっていろいろな人生を歩むことになります。
多くの中年を見ていて思うのは、リスクをとったり身銭を切ったりしていない人間が多いということなのです。

 

とくに大企業の出世街道をすすんでいるエリートに多いですね。
これまで会社が生活保障をしてくれたので、身銭をとってリスクをとることが下手なんですよ。

 

たとえば、40代以上なのに確定申告を1回もしたことがないというかたも多いでしょうし(年収2000万以上だと必須ですが)、自分の力で1円を稼いだこともないという方もいるでしょう。会社が出してくれるからといって、会社の経費をバンバン使い込んでいる人もいるでしょうし。

私なんて身銭を切りまくった人生でした。
この人生で自己投資に1000万以上使っているでしょう。

リスクを自分で取らない人は超合理的にみえますが、前述のタレブから見ると「脆弱」なんですよ。タレブいわく「時は身銭を切ることによって作用する」からです。

ただ単に組織や社会から守られながら時を経過しただけでは「サバイブした」とはいえないんですよね。

リスクテイクして害にさらされながらも生き延びたものこそが本物なのです。

 

40代がもっている最大の武器である「人生経験」。

世代で分けるのはあまり意味がないかもしれませんが、今後サバイブするためには良質な経験を積み続けることにこそあると思う今日このごろです。

 

 

コメント (1)
  1. うさこ より:

    人生経験って、軽んじられがちですけど、後から効いてくる薬みたいに効果がじわじわときますよね。
    私は今、障がい者集約型の会社に居て、いろんな年齢のメンバーに囲まれておりますが、同じ情報からでも吸収できる量が違いますし。
    就労移行支援のサービスも社会経験有りの状態とそうでない状態では、身につけた使い方まで想像しながら勉強できるかっていう意味でも習得の必要性が良く分かりますし、身につけないで社会に一度放り出されるとどんな苦労をするかも分かってますから、無料で身につけられる事への有り難みも変わりますしね。
    仕事をしながら身銭を切る勉強も、生活に適度な張りをもたらすレベルなら、一粒でいくつも美味しい勉強だと思います。自分の器のサイズを過信して見誤ると大変な副作用もあることもあるので、最初のターゲットの見極めが難しいですけどね

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